「毎回かけすぎてたわ…」老化を早めてしまうサラダのNGな食べ方とは?【管理栄養士が解説】


野菜中心のサラダは、健康や美容を意識する方にとって頼もしい存在です。しかし、ちょっとした選び方や食べ方の違いで「もったいない」サラダになってしまうことも。今回は「老化を防ぐ」という視点から、サラダの具材やドレッシングの選び方についてご紹介します。
老化につながる酸化と糖化
私たちの体では、酸素を使ってエネルギーを生み出す際に「活性酸素」が発生します。活性酸素が過剰になると、細胞にダメージを与える「酸化ストレス」が起こり、シミ・シワなど老化の一因になります。
一方で近年注目されているのが、「糖化」という現象です。これは、余分な糖と体内のたんぱく質が結びついて「糖化たんぱく」を作り、さらにAGEs(糖化最終生成物)という老化物質が生じる仕組みです。くすみやたるみなど美容面への影響に加え、内臓機能にも悪影響を及ぼすことが知られています。
サラダも食べ方次第で酸化と糖化が起こる?
一般的な食習慣であれば心配しすぎる必要はありませんが、食べ方によっては、酸化や糖化を進めてしまうことも。普段のサラダの食べ方をチェックしてみましょう。
糖化を進めやすいトッピングとは?
カリカリに焼いたベーコンや、フライドオニオンといった高温調理された食品には、AGEs(終末糖化産物)が多く含まれています。AGEsは、たんぱく質と糖が加熱されることで作られ、体に蓄積しやすく、老化の原因になると考えられています。
たとえば1食でベーコン1/2枚やフライドオニオン大さじ1/2ほどを使う程度であれば問題ありませんが、毎回たっぷり使っていると糖化リスクが高まることもあるので注意しましょう。
ドレッシングにも注目!
市販のドレッシングに使われることの多い「リノール酸」は、オメガ6脂肪酸に分類される脂質。摂りすぎると、体内のオメガ3脂肪酸(アマニ油やえごま油など)とのバランスが崩れ、慢性的な炎症や生活習慣病のリスクを高めるとも言われています。
また、リノール酸は酸化しやすい性質があります。開封後に時間が経ったドレッシングは、酸化ストレスの要因になる可能性があるため注意が必要です。
老化予防に役立つサラダのポイント

野菜を日々の食事に取り入れることは、美容と健康を保つうえでとても大切です。厚生労働省も1日350gの野菜摂取を推奨しています。手軽に野菜が摂れるサラダは、その第一歩にぴったりなメニューです。
そんなサラダをせっかく食べるなら、老化対策になる食べ方を意識してみましょう。選ぶドレッシングや具材のちょっとした工夫で、酸化や糖化のリスクを減らすことができます。
ドレッシングの油を意識しよう
サラダに欠かせないドレッシング。選ぶときは、酸化しにくく抗酸化成分が豊富な油が使われているかに注目しましょう。 おすすめは、オリーブオイルや亜麻仁(アマニ)油、えごま油など。これらの油には、体内の炎症を抑える働きがあり、老化をゆるやかにしてくれるとされています。
また、ドレッシングのかけすぎは、その商品によっては脂質や糖の過剰摂取につながり、カロリーオーバーや糖化の原因に。ドレッシングは、1食大さじ1杯(約15g)ほどを目安に楽しむようにしましょう。
具材には抗酸化食材をプラス!
老化を防ぐには、抗酸化作用を持つ「ビタミンA・C・E(エース)」を意識して取り入れるのがポイントです。
それぞれの栄養素は、以下のような食材に含まれています。
- ビタミンA:にんじん、かぼちゃ、トマト、モロヘイヤなど
- ビタミンC:パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツなど
- ビタミンE:ナッツ類、かぼちゃ、モロヘイヤなど
抗酸化ビタミンは、自らが酸化されることで、体の細胞がダメージを受けるのを防いでくれます。
【参考文献】
・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「老化とは何か?」
・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「酸化ストレス」
・厚生労働省「野菜1日350gで健康増進」
・花王 研究・健康レポート2「肌の老化に関わる糖化と生活習慣予防」
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