<アスパラガス>せっかくの栄養が…実は腸に悪いアスパラガスのNGな食べ方とは?管理栄養士が解説


鮮やかなグリーンで食卓を彩る「アスパラガス」。茹でて塩をふるだけでもおいしく食べられる、手軽な野菜です。ベーコン巻きなどつい手が伸びてしまうメニューも多いですよね。 しかし、実は食べ方によっては腸に負担をかけてしまうことがあるのをご存じでしょうか? 今回は、アスパラガスに関する豆知識や、身体にやさしい食べ方について、管理栄養士が解説いたします。
<知っておきたいアスパラの豆知識>
原産地と日本への広がり
原産地は南ヨーロッパからウクライナ周辺とされています。日本の長崎に伝来した当初は観賞用として楽しまれていましたが、食用としての栽培は、大正時代に北海道でスタートしました。当初は、缶詰のホワイトアスパラガスが流通していましたが、特に戦後の物流の改善や食生活の変化などにより、生鮮のグリーンアスパラガスへと人気が移りました。
アスパラガスの種類

アスパラガスには、紫アスパラガス、ミニアスパラガス、ロングアスパラガスなど、色や大きさのバリエーションがあります。最も栄養価が高いのは、太陽を浴びて育ったグリーンアスパラガスで、現在日本に流通しているアスパラの9割以上を占めています。
グリーンアスパラガスに含まれる栄養素
オリゴ糖
オリゴ糖は善玉菌のエサとなります。大腸のビフィズス菌はオリゴ糖を摂取することにより、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整えてくれます。
葉酸
ビタミンB群の一種で、水に溶けやすい性質があります。ビタミンB12と共に、元気な血をつくるサポートをしています。
ルチン
ポリフェノールの一種で、穂先に多く含まれます。ルチンには毛細血管を強くする働きがあり、血流も良くなります。脳卒中などの病気の予防などに役立ちます。
アスパラギン酸
アスパラガスから発見されたアミノ酸の一種です。体内でエネルギー代謝を活発にし、疲労回復を早める効果があります。
ビタミンC
関節やお肌、血管などを丈夫に保つために欠かせない、コラーゲンを作るのに必要な栄養素です。肌のメラニン色素の生成を抑え、シミや日焼けを防ぐサポートをしてくれます。さらに、ストレスを感じたときや風邪をひきやすい季節などには、体の抵抗力を高めるサポートもしてくれます。
ビタミンE
老化や不調の原因となりやすい「酸化」を防ぐ働きがあり、血管を健やかに保ったり、悪玉コレステロールがサビついてしまうのを防ぐ力があります。さらに、赤血球を守って血液のめぐりを助けたり、細胞の若々しさを保つサポートもしてくれます。
実は要注意!腸に負担をかけてしまうNGな食べ方

アスパラガスは、腸内で消化・吸収されにくい糖類が多く含まれるため、大腸でガスを発生しやすい食材のひとつです。そのため、茎の硬い部分をよく噛まずに飲み込んでしまうと、消化不良や、腸への負担を招くことがあります。さらに過敏性腸症候群の方は、食べすぎによって腹痛やガスの過剰発生、膨満感、下痢、便秘などの症状が現れることもあります。
腸にやさしいおすすめの食べ方
・茎の硬い部分は切り落とす。
・ピーラーで薄皮を剥く。
・しっかりと加熱してやわらかくする。
・よく噛んで食べる。
*過敏性腸症候群の方は、穂先を中心に、少量ずつとり入れるのが安心です。
まとめ
見た目にも美しく、栄養豊富でおいしいアスパラガス。健康維持にも嬉しい成分がたっぷりですが、食べ方によっては腸に負担をかけてしまうこともあるため、下処理や加熱方法を工夫し、「よく噛む」ことを意識するのが大切です。「体に良いから」といってたくさん食べるのではなく、体調や体質にあわせた食べ方で、アスパラガスの栄養を上手にとりいれていきたいですね。
<参考文献>
・独立行政法人 農畜産業振興機構
・健康長寿ネット
・アスパラガスの周年的養分吸収特性
・FODMAPと過敏性腸症候群
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